Association des SAXophonistes

Interview with Kenta SAITO – First Prize at the Adophe Sax Competition in Dinant in 2019 In Japanese

Interview with Kenta SAITO – First Prize at the Adophe Sax Competition in Dinant in 2019

 

Kenta Saito was awarded First Prize at the 7th International Classical Saxophone Competition in Dinant.
Second place went to Rui Ozawa.
The french Sandro Compagnon, only 23 years old, takes third place on the podium, followed by Eudes Berstein and Nicolas Arsenijevic who were disappointed with this 5th place.
Miho Hakamada, the other female finalist thus closes the classification.
A 100% French-Japanese final
Of these six laureates, five attended the Conservatoire National de Paris in Claude Delangle’s class, except for Kenta Saito, the big winner.
An artist whom we felt particularly happy to play this final, with assurance and control.

 

Thanks to his victory, he hopes to bring in his wake the Japanese saxophone school and train many students and take them on the road to this great competition in Dinant.
For the jury, who are reminded that they do not have to deliberate but only give quotations, the difference was played out on the compulsory piece, composed for the competition by Claude Ledoux.
Alain Crepin explains: “He made a very clear compulsory piece. The proof is that the jury awarded him the prize for the imposed piece. His imposé was clearly clear, with a richness of sound that he had throughout the competition. He also had a lot of presence on stage, and a lot of willingness to get his message across; not only listening, but also seeing.
A few months after this seventh edition of the Adolphe Sax International Competition, The Asax(French Saxophone Association for Saxophone) interviewed Kenta Saito.

 

皆さんはじめまして。
日本を拠点にサクソフォンで演奏活動をしている齊藤健太です。
私は12歳でサクソフォンに出会い、それから6年間スクールバンドで活動した後に音楽大学へ進み、専門的にサクソフォンとクラシック音楽を学びました。
洗足学園音楽大学では4年間池上政人先生、東京藝術大学では2年間須川展也先生の下で学びました。
高校2年生の頃からソロのコンクールを受け始めましたが、一昨年までは本選に進むことが出来てもなかなか優勝することができず悔しい思いをずっとし続けてきましたが、昨年クラシックサクソフォンに於いては最難関である”アドルフ・サックス国際コンクール”で悲願の優勝を果たしました。

須川展也さんです。私は中学校の吹奏楽部でサクソフォンを始めましたが、当時の顧問の先生に須川さんのCDをご紹介いただき、早速家で聴いたときに大きな衝撃を受けました。とても暖かく美しい音色はもちろん、時には激しい怒りをもった音色、とても哀しく落胆したような音色、煌びやかに輝いた音色など、とても多くの表情を持つ楽器なんだ!自分もこんな風に演奏できたらどんなに楽しいか!と心躍らせ毎日の練習に励んだことを良く覚えています。

6月の末に全く関連のない曲目でのリサイタルを行った為、コンクールに向けて集中して準備を始められたのは7月に入ってからでした(それも7月は約一ヶ月ヨーロッパに旅行していたので、実際は殆ど8月から) 。もちろんもっと前から準備は始めていましたが、本腰を入れられたのが遅かったので短期集中型でとにかく練習時間を沢山確保していました。
課題曲はもちろん難曲だらけだったので、とにかく丁寧に緻密に準備を重ねました。音を並べるのが不安な箇所は極端なまでにゆっくりしたテンポから練習をしたり、細かいニュアンスを何度も反復練習してみたり、考え付くだけのアプローチを試しました。

初めての優勝。しかもサクソフォンを専門的に学び始めてからずっと憧れていた舞台での優勝だったので、それだけでこれから更に演奏活動を続けていく上での大きな自信になることかと思います。また、逆に大きな責任も感じています。この素晴らしいコンクールの数少ない歴代優勝者の一人になったということは、これからサクソフォンの世界を牽引し、発展させるべき立場になったということ。クラシック音楽がポピュラーでなくなりつつある現代において、更にマイナーであるクラシカルサクソフォンがどのようにこの現状を変えていけるか。またこの150年で目覚しい発展を遂げてきたサクソフォンを更に高みへ押し上げるにはどうするべきか。常に考えて、実践し、結果を貪欲に求めていかなければならない。そのように考えると、本当に大きな意味があり、同時に僕の今後を大きく変える優勝だと思います。

とても単純ですが、明らかに自分に対する注目度が変わったように感じます。以前はキャリアを地道に積み上げて、活動の場を広げることになるだろうと思っていましたが、優勝したことによってそのステップを何段も跳び越して、更に厳しくも活気に満ちた世界に変化した様に感じています。

コンクールの準備はコンサートの準備と変わりません。
正確に楽譜を読み、それに基づいて自分の解釈(美しいと感じるフレージング、その場に適したアーティキュレーションのニュアンス、極めて自然な音程感等)を決定していく。コンクールであっても、コンサートであっても”会場にいる観客に美しい音楽を提供する”というところに違いは無いと考えているので、とても単純に考えています。「良い演奏をすれば評価される」これは中学時代の恩師の言葉ですが、いまでもステージに向けて準備をする際は常に考えています。
また、コンクールの際はもちろん演奏会でも緊張はします。手が震えるほどではありませんが。数年前にアレクサンダー・テクニークのワークショップに参加したことがあり、その際に聞いた話を常に意識しています。緊張したときになぜ・心拍数が上がり・手汗をかき・手足が震えるのか。これは演奏はもちろん、なにか重要な局面において(会社でのプレゼン、大衆を前にしての演説、スポーツでの試合、こんなことはまずありませんが、決闘)より良い結果を生み出そうと、脳がアドレナリンを分泌していることに起因する。しかし平常心であろう、普段どおりであろうとするほどそのアドレナリンは行き場を失い、結果としてそれを消費する為に前述の症状が出始める。逆に言えば「更に良いパフォーマンスをしよう」「いつもより美しく繊細なppを出そう」「普段よりも更に幅広な表現をしてみよう」と意識することによって、分泌されたアドレナリンは正常に使われて手足の震えなどの症状は収まる。これを意識し始めてからは演奏前に緊張することが怖くなくなりました。
緊張は「敵」ではありません。体を更に活性化させるためにくる「栄養」なのです。

とにかく「自然」な音楽を作り上げることを考えます。
私がこれまで耳にした演奏の中で、「とても美しい」「こんな演奏をしてみたい」と思える音楽は限りなく自然なものでした。どの要素を取り出しても違和感を感じる箇所は一つもない。そんな音楽を目指して常に準備を進めています。
あとひとつは「舞台上で恥をかきたくない」ことです。
単純ですが、モチベーションが下がっている時に考えなおしてみると練習する活力にもなるし、緻密に音楽を作り上げる切欠にもなります。

好きな作品が沢山ありすぎて、絞るのが難しいです… 強いて言うとすればイベールのサクソフォーンと11の楽器の為の室内小協奏曲です。絶妙な和声の使い方や、オーケストレーションによって醸されるフランス作品特有の浮遊感がたまらなく好きです。またサクソフォン以外の作品だと、ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番が大好きです。
もともと情熱的で、広大なイメージのあるロシアの作品は好きでしたが、この作品の和声感、スケールの大きさ、メロディの美しさは心の奥に響いてきます。私はいわゆる「和声フェチ」なので和声が美しい作品はずっと聴いていられるし、同時に演奏したいという欲求が沸いてきます。

現在、ソリストとしてはもちろんサクソフォン五重奏や吹奏楽での活動はしています。カルテットに関しては準備段階にあります。コロナウイルスの影響でなかなか演奏活動が難しい時期ではありますが、緻密に準備を重ねて自分のカルテットもデビューしたいと強く思っています。また、まだ日本以外での演奏活動はあまりできていないので、世界中でコンサートを行い、更に沢山の方に自分の演奏を聴いてもらいたいと思っています。

ディナンの本選では、私以外はパリ国立高等音楽院の出身者または学生でしたが、日本のみでしか勉強してこなかった私が優勝できたことは「留学経験が無くても十分通用するんだ」という大きな自信になったのと同時に、留学経験のない日本人で本選に残っているのが自分だけというのはやはりフランスの音楽教育がいかに素晴らしいかを物語る結果だったと思います。フランスに憧れて世界中から留学生が集まっていることを、是非誇りに思ってください。
私自身一時はフランス留学を検討したこともありました。少なくともサクソフォンに於ける最先進国はフランスであることは間違いないでしょう。是非常にその斬新なアイデアや、音楽への深い造詣を絶やすことなく突き進んでいってほしいと思います。もちろん日本はじめ、世界中のサクソフォンを愛する人々はあなた方を追い越そうと常に努力し続けるでしょう。それがこの素晴らしい楽器が更に昇華する原動力になると信じて止みません。

Thank you Kenta Saito for this interview – Merci Kenta Saito pour cet entretien.

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